市民との対話と議会
コンセンサス・デザイン・フォーラム2015へ行ってきました。
市民参画、市民との対話をテーマとして、事例発表やパネルディスカッションがあり、非常に興味深く学べました。さいたま市はもちろん、多くの自治体で市民参画、市民協働が進められています。一方的に自治体が、市民にお知らせするのではなく、計画づくりの段階から市民に関わってもらうことで、合意形成を図ろうという取組みです。
少子高齢化に伴う財政の硬直化によって、限られた財源をどう使っていくか、という時代に入ったとき、市民との対話による合意形成は非常に重要です。首長自身の覚悟も問われていると思います。
一方で、こうした市民参画が進んだとき、議会の役割はどこにあるのだろうか・・・と思いながらずっと聞いていました。議会は今後も本当に必要でしょうか。パネルディスカッションでも、その問いが出たのですが、私自身にピンとくるお答えは有りませんでした。
議員は、市の広報係でも、説明係でもありません。何より重要なのは「議決」、決定する、ということです。
ある首長から、策定した計画が議会で可決されそうにないとき、策定に関わった市民が議会と議員にプレッシャーをかけることで、可決を得たという話がありました。確かに、そういうことはあるでしょう。
でも、私には少し違和感がありました。議会が議会自身の広聴機能を高めることで、執行部とは別に市民からの意見をしっかりと反映できるようにしなければなりません。実際に、議会報告会など、議会側から働きかけようという動きも出ています。
北川正恭先生はいつも、議会は「ジェラシックパーク」互いに嫉妬し合いまとまりづらいトコロだと、おっしゃいます。それも、そうです。
しかし、昨年噴出した議員の不正や事故、不祥事でも再燃した「議会不要論」を誰より憂い、危機感を持つ議員もたくさんいます。議会と議員の役割と責任を自問自答し続ける多くの仲間と一緒に、市民の声を市政に届ける、ということ、そしてそれを元に、決定するということを真摯に続けていきたいと思います。

池田まり さいたま市議会議員(埼玉県さいたま市西区)